『恵がレイプされるとこ見てたの…』
「…な…んて…?」
明日香から思いがけない言葉を聞いてアタシは動揺した。

『お母さんにお使い頼まれて…コンビニに行ったの…そしたら路地裏の方で恵に似た声が聞こえたから様子を見に行ったの…アタシ…自分の目を疑った…恵がレイプされてた…助けに行こうとしたら男の人に押さえ付けられて…』

明日香の声は震えていた。
『この事…誰かに言ったら今度はお前をブチまわすぞって…アタシ怖かった…恵はいつもアタシを助けてくれるのに、アタシはただ見ているだけだった…ごめんなさい…』
「明日香…」
『ごめんなさい…ごめんなさい…』
明日香は泣きながら何度も何度も謝った。
「明日香…アタシは大丈夫だから。明日香も怖かったよね…。よく、話してくれたね…ありがとう。」

『恵ぅ…』
「今日はもう寝な?また電話するから。」
アタシは明日香を宥めた。
『待って恵…!アタシ聞いちゃったの…恵をレイプした…祐樹くん達と、アユリがグルだって…』

「……え?」
一瞬、時が止まった様に思えた。