幸せの明日

｢沙梨亜は…ついさっき事故にあって…亡くなったって…。｣
荒瀬の言葉を聞いた瞬間、俺は目の前が真っ暗になった。
｢事故って…おい…冗談だろ？なぁ…荒瀬！！｣
俺は荒瀬の肩を揺さ振った。
｢こんなの…冗談だったら死んでも言わないよ…｣
荒瀬はそう言って涙を流した。
｢沙梨亜は…今日この家を出たの…お父さんの転勤でアメリカに行くって…｣

アメリカ…？
なぁ沙梨亜…？俺…そんな事聞いてないぞ…？
｢ホントは転勤の事ね、受験日より前に決まってたの。だけど涼介くんと約束したから転勤の事言えなかったって…沙梨亜は沙梨亜なりに悩んでたんだよ…｣

なぁ沙梨亜…
守れない約束なんか最初からしなければ良かったな…
俺はそう思うと涙が溢れてきた。