幸せの明日

―ザー―
いつのまにか、雨が降っていた。
「涼介くん…?」
背後で名前を呼ばれた俺はゆっくりと振り返った。
「荒瀬…」
俺の視線の先には傘をさした荒瀬が立っていた。

「涼介くん大丈夫!?こんなに濡れて…風邪引くよ!」

そうだ…荒瀬なら沙梨亜の事…知ってるかもしれない。
「なぁ、荒瀬…沙梨亜、何処行ったか知らねぇ?アイツ、さっきまで携帯繋がってたのに、今かけたら繋がんなくてさ…。」
俺は荒瀬に近寄った。

「沙梨亜は…」
荒瀬は一瞬にして表情を曇らせた。