幸せの明日

「…?」
俺は状況が理解出来なかった。
そう…沙梨亜の家は貸家になっていた。
「意味…分かんねぇよ…」
肩が小刻みに震えているのが自分でも分かった。

―ピンポーン―
出ない…
―ピンポーン―
出ない……

何回チャイムを鳴らしても沙梨亜や家の人が出てくる気配はなかった。

俺は携帯を取り出した。
―♪〜♪―

沙梨亜に電話をかける。
―ガチャ―
「…!もしもし!!沙梨…」
《お客様のおかけになった番号は現在使われておりません。》
電話の向こうからアナウンスが聞こえて来る。

「嘘…だろ?沙梨亜…」
俺は連絡のしようがなかった。