幸せの明日

『…!!手が…』
俺の手は物凄く震えていて鉛筆さえも握れなかった。落ち着こうと頭では思っていても身体が言う事を聞いてくれなかった。
「っ…!」
周りの皆はすらすらと問題を解いていた。
焦る気持ちだけが俺を支配していた。


   【約束ね!】


ふいに聞こえて来た。
この言葉…
いつしか沙梨亜と約束した時の…。
俺はもう一度、深呼吸をして鉛筆を握った。
今度はすらすらと鉛筆が動いた。
沙梨亜と俺の…
約束だったもんな。
俺は出遅れた分を取り戻すかのように問題を解いていった。