幸せの明日

将弥と千景と別れた俺達は公園のベンチに腰を下ろした。
「志望校…」
「ん?」
沙梨亜はボソッっと呟いた。
「涼介は、卒業したら何処の高校行くの?」
「高校かぁ…全然考えてなかった(笑)」
「あはは♪来年だよ‐?涼介らしい〜」

沙梨亜はそう言って笑った。
「そ‐ゆ‐沙梨亜は決めてんのかよ?」
「アタシ?アタシは…広陵かな…」

「広陵って…マジかよ!でも、沙梨亜なら行けんじゃね!?」
「だけど…無理だよ…!」

「なんでだよ!だって400点あれば受かるとこだぞ?沙梨亜なら余裕で行けるって!」
俺は否定する沙梨亜を必死に説得しようとした。

「違うの涼介…!実はアタシ…!」
「そんなら、俺も広陵行く!必死こいて勉強してやるよ!♪♪」

俺は沙梨亜の言葉をさえぎった。
「約束する♪」
俺はそう言って沙梨亜に小指を差し出した。
「…ん。分かった…。約束ね!」

俺達は互いに小指を絡めた。
「んじゃ、俺そろそろ帰るわ。」
「そっか!じゃあね♪」

俺は軽く右手を挙げ、沙梨亜と別れた。