―ｶﾞﾁｬ―
部屋の扉を開けた。
｢あ、恵遅いよ〜！｣
扉の先には明日香が暇そうにベッドに寝転んでいた。
｢ごめん、ごめん(笑)｣
アタシは明日香の頭を優しく撫でた。
｢…ねぇ恵？｣
｢…ん？｣
明日香がアタシの目を真っ直ぐに見つめた。
明日香の瞳にアタシがしっかりと映っていた。
｢何かあった？ちゃんと…笑えてないよ…？｣

―ﾄﾞｷ―
明日香は何でもお見通しなんだね。
だけど今はアタシ自身がどう思ってるのかさえ分からないから…明日香に話すのはもう少し先でもいいよね…？

｢大丈夫だよ？何にもないから♪｣
アタシはそう言って出来るだけ平然を装った。
｢でも…｣
｢ほ‐ら！早く寝るよ。おやすみ〜｣

アタシはベッドに潜り込みきつく目を閉じた。
｢もぉ…おやすみなさい〜｣

ありがとう明日香…
自分の気持ちが分かったら、その時はちゃんと言うからね。