掴んだ腕を緩めると、今度は彼が私の腕を掴む。 「あんた、いつまでそこに居るつもりなんだよ」 「な、にが」 「卒業式の教室に、一人ぽつんと、泣きながら誰も信じないって…。いつまで心閉ざしてるんだよ」 力が抜けた、足に力が入らなくて、膝を地面に付く。 私はあの日から進めない、裏切られることを恐れて、縮こまって、あの日、親友に裏切られたことは私を、深い深い心の奥に閉じ込めた。 「全部、俺が勝ったら聞きますから」 「……」 「そんで、あんたをあの教室から連れ出します」 →