「!?」
ノブを握ったまま引っ張られそのまま扉が開くと長身の男と対面した。
男は今まで出逢った事もないような長身の持ち主で整った顔だけども今時の若さの抜けた一昔前のドラマ主人公のように整った顔立ちは、私より歳が離れている事が想像出来た。突然の出来事に思わず息が詰まり、そんな想像をしている内に何者か訊ねるのを忘れていることに気がつく。
「丹波さんの娘さんだね?私は神野という者だが、お母さんはお見えになるかな?」
紳士的に訊ねられその独特の声と甘さ漂うオーラに再び引き込まれそうになるも、母の名を突きつけられればすぐさま現実に戻り哀しげに首を振った。