「ごめん、別れよう。」


いつかはこうなるんじゃないかって分かってた。
裕也にはあたしの姿は見えていないって。

「ごめんな。」
そんなに謝らないでよ。
「いいよ。別に、あたしももう裕也と別れようと思ってたときだったから★それに…」

これ以上。もう言ってもいいよね…?
「それに、あたし新しく好きな人できたしね★」

いいんだよね。
もう、裕也とは何も関係ないんだもん。

最後に裕也は微笑んで
「じゃあな。元気で。」

そう言って躊躇することなくあたしに背を向けて歩きだした…。

これで………よかったんだよね…?

裕也の小さくなっていく背中を見ていて、今までの
思い出がよみがえってきた。


裕也から真っ赤な顔して告白してきた事。
裕也とのはじめてのキス。
付き合って1ヶ月のときにはデズニーランドに言った事…
これだけじゃない、もっと、もっともっともっとたくさんの思い出がよみがえってきた。

もう、裕也の背中は見えるか見えないくらいの小ささになって
『あぁ、もう裕也の彼女じゃない』と思った瞬間…

目から大粒の涙が溢れてきた…

もう、この涙は止まらない…
裕也を忘れたほうがいいのかもしれない。
だけど、裕也を忘れたくないって思う自分がどこかにいて…