サヨナラを告げるくらい



「え・・・?」

心臓が高鳴る。

有里の名前を聞いただけで。
それが有里だってだけで・・・。

お願い咲奈、もう続けないで。
嘘だって…言って……。?



「やっぱ知らなかった??
ウチの後輩がー、
この間、悠人と一緒に帰ったのを見たらしくー…」

「悠人ー!?」
「そう!!うっわー有里に負けたー!」
「負けたって…なんか違くない?」


明るく振舞った私は俗に言う嘘つき。
有里がまだこんなに好きなのに
[軽い友達]と口では言う。

咲奈のよく言う『赤い糸』が
女の子同士では『白い糸』に変わるらしい。
【友情】の証として…。





私と有里の間に『赤い糸』は存在しない。
赤い糸があるのだとすれば
それは悠人と有里の赤い糸。