サヨナラを告げるくらい



学校で一度だけ、曇った窓に書いた相合傘。


ゆり、みほ、ゆり、みほ、
ゆり、みほ、ゆり、みほ、
ゆり、先輩、みほ、先輩・・・?


ようやく正気に戻れた私に、安心なんて言葉はひとつもなかった。


「嫌だよ。。。ねぇ有里・・・嫌。美歩を捨てちゃ、嫌…。嫌なのっ!」


狂ったんじゃないかって思った。
こんな私を初めて知った。


「捨てるなんて…あるわけないよ、美歩。」
「・・・でも、」
「ごめんね、美歩。あたしバカな事言った。」

バカな事言ったのは、私も一緒。
なのに有里は私を責めないで自分を責める。


「・・・うん。」
「あたしには、美歩が必要だよ。」
「・・・・・・・・・うん。」


私が必要。
そう言った有里に、私は何を言えばよかった?