「きらいよ」

あなたなんて、大嫌い



「愛してるよ」

コワレモノを扱うみたいに‥

私の体に触れてくる

優しい、優しい掌。


私の体は、どうしようもない位熱くなる


「いや‥」


何も、考えられなくなるの

何に、こだわっていたのか解らなくなるの

「おまえだけだよ」

甘い言葉。

いつも、囁いてくれる言葉。

「いや、きらい」

「大っ嫌いよ」

私はうわごとのように繰り返す。

「愛してるよ」

彼は、確かめるように繰り返す。



…信じていたの。



…まだ、知らないでしょ?



あなたが他の女と会ってるの、見掛けたの。

時々《約束》のある“妹”って、‥彼女の事でしょ?

“妹”とは、あんな所で、あんなキス‥しないものよ。


「愛してるよ」

繰り返し、繰り返し

言葉で私を溶かしていくのね

「‥きらいよ」

私がしがみつくのは、

あなたの体だけ。


あなただけ‥。