手の届く距離で

自分のことを話してる？？話してない？？


考えたことも無かった。


でもいつも明るい「千恵の話」を聞くことが楽しかった。


別に話したく無いことがある訳でもないので聞かれれば何でも話している。


今日帰る前にキスしたいな…。


そう思っていたが、「キスしていい？」と聞くことも、いきなり抱きしめてキスすることも出来ない。

なぜだろう。


暗くなり、いつもの通り無言の多い「公園デート」は終わりにし、帰ることになった。


「家の前まで一緒に行くよ。」


「大丈夫だよ。」


「いや行くよ。」


「大丈夫だって。」
「じゃあ私が純くんの家の前まで行くよ。（笑」


「なんでよ。（笑」


「だから大丈夫！（笑」
「じゃあまたね。」


「わかったよ。（笑」
「じゃあ気を付けてね。」


「近いから大丈夫だよ〜。」
「私なんかを心配し過ぎだからぁ！（笑」


千恵は後ろ向きで家の方に歩き出しながら笑って言った。

「純くんこそ気をつけてね！」
「やっぱり送ってこうか？（笑」


「じゃあね！（笑」