中学一年の春。

「学級委員は松田くんと川上さんに決まりました!」

しっかり者では無い僕としっかり者の川上。


何もしない僕としっかり者の川上。


「ほら、松田もやって!!」


「あっ、うん…。」


いつもこんな感じだった気がする。



「オレ、川上が好きだな〜・・・。」
「松田は誰かいないの?」

クラスで仲が良かった大谷がおもむろに話し出した。


「別にいないよ。」


「オレ、告白してぇ〜!!!」
「どうすればいいかな?」「ちょっと松田も考えてよ!」


人の恋愛にアドバイスする程経験なんて当然無かった。


「直接言ってくれば?」
「ホラ、そこに居るよ。」


「じゃあちょっと…」

太田は立ち上がる「フリ」をした。

「アホっ!!」
「ムリだよ〜〜〜!泣」


「じゃあラブレターじゃん。」


「それしかねぇなぁ〜〜〜。」


「じゃあ書いたら松田、渡してくれる?」


「はっ!?」
「そんなの自分で渡せよ〜〜。」


「渡せたらこんな苦労はしねぇよ!」
「いいよなぁ〜松田は。」
「いつもチエちゃんと学級委員で一緒に残ったりしてるし…。」
「いつでも渡すトキあるじゃん!」

突然「チエちゃん」に呼び名が変わった。



別に残りたくて残っていたわけじゃ無いのだが・・・。