「でもいいよ。」
「私、純くんに付き合って欲しいって言われた時、すっごく嬉しかったんだ。」

「純くん、普段無口でしょ?だからびっくりした方が大きかったかも・・・ゥフフ!!」


また千恵がムリヤリ笑った。

いや、笑ってくれたんだ!


どんどん自分の不甲斐無さが情けなくなってくる!


「千恵!!」



「えっ?」
「ンッ・・・。」



うつむいて話していた千恵が上を向き返事をするよりも早く、オレは千恵を抱きしめ、キスをしていた。



「千恵が好きだ…。」



千恵の目からはボロボロと涙が溢れて来ていた。



「聞こえないよ…。」


「・・・。」
大きく息を吸い込んだオレは夜の街中の公園でやってしまった。



「千恵が好きだ〜!!!」


今まで千恵を傷付けていたこと、それを全部吹き飛ばしたかった。



「ぅぅっ…。」



叫んだ後のオレにまた口を塞がれながら、千恵はまたポロポロ泣いていた。

「純くん…。純くん…」



そして今度はもう、それをオレに隠してはいなかった。



付き合って以来、面と向かって好きだと言えたこと、(それを夜中に叫んだこと…)、キスしたこと、千恵のあんな涙と泣き顔を見たことも全部初めてのことだった。