「今寮でしょ?」


「大丈夫だよ!!」




梨桜ちゃんは一瞬驚いたような顔をしたけれどすぐに笑顔になった。









「いいよ、行こうか。」


「うん!」




私も笑顔になり、一緒に玄関へと向かった。









「言っておいた方がいいんじゃないんの?」


「ん? 何を?」


「婚約者さんに、家に行くことを。」





少しだけ口元を上げ微笑みながら言う。













私は急いで携帯を鞄から取出し、メール画面を開いた。






「きょ、う

梨桜ちゃんと、寮に、い、く、ね」





単語を声に出しながらメールを打つ。





私の隣で梨桜ちゃんは壁に背を付け、携帯ゲームをしていた。







凌雅はメールの返信が遅い。


しかも必要最低限の言葉だけで、絵文字はなし。






そんな短く、黒いメールにも慣れてしまった。