「あの人この辺の地主なのよ。
まぁ、金持ちなんて珍しくないけど、あの人の両親は娘命だから。
あの人を敵にしたらめんどくさいよ。
しかもあなたの婚約者のこと狙ってたらしいし。」
そういうとチラッと凌雅を見た。
私もそっちへ目をやると、クラスの男子と何やら話し込んでいる。
一姫ちゃんは凌雅が好きだったんだ…。
本性を知ったら幻滅するだろうけど。
「まぁ、気をつけなよ。」
「うん、ありがとう。」
「いえいえ。
あ、お昼一緒にどう?
おいしいんだよ、ここの学食。
それとも婚約者と食べるの?」
そういわれて思い出す。
…ご飯は一緒に食べるんだった。
はぁ、と肩を落としながら梨桜ちゃんに話す。
梨桜ちゃんは「しょうがないね」といいながら笑った。


