席に着いたと同時に鐘の音が響く。
朝のHRが終わるのと同時に、女子が私のところに押しかける。
「どうやって知り合ったの?」
「親同士が決めたの?」
「東宮くんって私生活でもやさしいの?」
質問の嵐に合う私。
そんなに一気に聞かれても…。
ハハッと苦笑いをすると、私の目の前に縦巻きロールの女の子が目の前に現れた。
顔は正直言うと普通。
制服は改造されていて、いたるところにレースとリボンがつけられている。
服装はまさしく、アニメの中のお姫様。
本人も意識しているのが目にとれる。
両隣に女の子が2人。
ぴったりくっつくように立っている。
その女の子は私の目の前に立ち、ニコッと笑顔を見せた。
でも私は見逃さなかった。
一瞬私を睨んだことに。
そして周りが一気に静かになったことに。
「はじめまして。
外崎一姫(トノサキイチヒ)ですわ。
何かあったら何でも聞いてくださいね。」
何事もないようにそう笑うと、席に戻った。


