「俺と婚約する“フリ”をする。 あくまで“フリ”だ。 お互い本当に好きな人が出来たら断ればいい。 お前にとっても、俺にとっても、両親にとっても、いい話だろ?」 ニヤリ、と悪魔的微笑みをはなつ。 ・・・確かに、いい話。 お見合いは嫌い。 男の嫌い。 だったら・・・。 「この話、お受けいたします。」 こんないい話、他にはない。 私は笑顔でその話に頷いた。