いつもと変わらない学校。 平和だな、なんてまるで他人事のように思ってしまう。 「おはよう、妃芽。」 背後から聞こえる声。 「おはよう、梨桜ちゃん!」 「昨日は結局…どうだったの?」 早速その話題ですか、と心の中でツッコミ小さな声で答える。 「どうって…何も無かったよ。」 あったといえば眠れなかったくらい、と付け加えた。 「そっか…まあ、気長に頑張りなよ。」 「…うん。」 私の返事と同時に、鐘がなった。 響き渡る鐘に誰もが席に着き、私も歩いて数歩の自分の席へと向かった。