そのあと、眠れるはずもなく。
…気が付けば、朝。
「寝れなかった。」
むむ、と口をへの字にしてベッドから立ち上がる。
カーテンを明け、眩しい朝日に目を瞑る。
なんていい天気なの。
私の心には雲がかかっているのに。
一晩考えた、恋というもの。
私にとっては程遠い存在。
なにしろ、男性と関わったことがない。
ここまで密接に関わったのは、正直凌雅が初。
この感情を“恋”と勘違いしているのか。
それとも本当に“恋”なのか。
まだ分からない。
…でも。
「どんな顔して会えばいいの。」
ため息をつきながら、私はリビングへと向かった。


