『そのままだと妃芽は一生気づかないね。』
そういうと鼻で笑うような音が聞こえた。
「…何、が?」
『はぁ…。
正直に言う。
それは“好き”っていう感情だと思う。』
好き…
私が、凌雅…を?
「…何を、言っているのですか。」
『そのままの通りです。』
しばらく脳内で変換する。
ずっと一緒にいた。
暮らしてきた。
いじわるだけどそれでも、優しい人。
「あぁ…わからない。」
『…妃芽の気持ちは妃芽にしか分からないから。
これから確かめていけばいいのよ。
頑張れ、恋愛1年生!』
電話越しにニヤニヤしている姿が目に見える。
恋愛1年生…。
これは恋愛なのだろうか。
恋…なのだろうか。
あぁ、頭痛がする。


