「わかっ…た…。」
そういうと、
黒い笑顔に変わった。
や っ て し ま っ た 。
血の気が引く。
「物わかりが良くて助かったよ。」
ニコニコと近づく凌雅に、怯える私。
1mほどの距離になったとき、梨桜ちゃんが口を開いた。
「徐々に、距離に慣れていく…」
ぽつりと、呟くように言う。
「今日は10㎝、明日は5㎝…
なんなら1㎝ずつでも。
これなら妃芽…
頑張れる?」
心配そうに尋ねる、梨桜ちゃん。
徐々に…
それなら、大丈夫かも。
「頑張れ…る!」
力強くそう言うと、2人とも笑った。
「あのー…すいません。
俺もいることをお忘れなく…。」
ただ1人、星生くんを除いて。


