「お嬢様、先に食べていられては…?」



見かねた西野さんが少し姿勢を低くしてそう私に言う。









目の前には、おいしそうな料理の数々。



西野さん自慢の料理だ。









じゅるり、とよだれが口から垂れかける。












…食べたい、食べたいけど……。





「大丈夫です。

待ってます!」






ここまできたら、もはや意地。











私はテスト間近ということでノートや教科書を開き勉強をしながら待っていることにした。






分からないところは西野さんに教えてもらいながら、待つこと30分。












玄関の方からガチャッという扉の開く音が聞こえる。



私はシャーペンをノートの上に置き去り、玄関の方へ急いで向かった。