「無理だろ・・・」

パタパタ・・・

足音?タキさん?

「小野田くん!!」

え?

「箕田?」

あらわれたのは、箕田郁美<ミノダ イクミ>。

同じクラスで、野球部のマネだ。

腰まである長い髪をくるんと巻いて、綺麗にふたつに結っている。

れっきとした可愛い系で、まぁ、男子人気もある。

だけど俺はぶりっ子ぽくてあまり好きじゃない。

俺はそう・・・綺麗でクールな・・・タキさんみたいな・・・人がタイプだし。

「小野田くん、大丈夫??」

「あぁ・・・うん。大丈夫。ありがと、心配してくれて。」

へラッと笑ってみせる。

苦手なんだよなぁ・・・こういう雰囲気。

「あの、いく、ね?」

うわぁ、自分の事名前でよんでる・・・

苦手なタイプ・・・

「いく、小野田くんのことがすきなんだぁ・・・だから、心配して・・・」

「え?」

「いく、小野田君がすきなのぉ・・・。いくを、小野田君の彼女にしてくれない??」

「ちょ、箕田?」

近い・・・近いよ??

「あの、箕田!!」

ガサガサ!!

「!!」

「・・・オノ?」

「あ・・・タキさん・・・!!」

「オノ・・・いくちゃん?」

「あの・・・」

「ぁ・・・あの・・・ごめん!!」

「タキさん!!」
「タツキ先輩!!」

もしかして、タキさん勘違いした・・・?