「お待たせ~!」 明かりはほとんどないけれど、 意外と拓真が見えるのは、沖合の夜釣りの船のお陰。 「おっせ~よ。ちょっとヒヤヒヤした」 砂浜に足を伸ばして座ったまま、私の方を振り返った。 「ごめんね。一人で怖かった?」 「違うって。ガキじゃねえんだから。陽菜子が来てくれるか、ヒヤヒヤしてたって事」 「来るよ~。案外、私って信用ないんだ?」