「俊久くん。昨日はありがとう。お陰で元気出た」 「別にいいよ。お前たち二人の仲を、取り持ちたかったわけじゃないしな」 なんて言ってるけど、言葉の奥には優しさを感じる。 「それより、こんな時間にどこ行くんだよ?」 「秘密!」 わざと意味深な振りをして、私は走って行った。 夜の浜辺で、拓真と待ち合わせをしているから…。