「部屋に戻った方がいい。連れてってやるから」 「え?いいよ。大丈夫」 恥ずかしいよ。 俊久くんは、今にも私を抱き抱える勢いだ。 「バカ、恥ずかしがってる場合かよ」 「だって…」 こんな時ですら、私の心を見透かす俊久くんに感心する。 「いいから、行こう」 そう言って、手が伸びてきた時だった。 「触るな」 拓真の声が、聞こえた。