拓真と仲直りできないまま、とうとう臨海学校が始まってしまった。 「オレさ、最近、いつも陽菜子を探してるんだよね」 「え?」 穏やかな波が、足元を濡らす。 「だから、タイミング良く現れるんだよ」 そう言うと、俊久くんは笑った。 「部屋、戻らないのか?」 「うん…。戻っても、友達いないから」