「あたし…もう一度京介に会いたい」


本当は帰るつもりでいたけど、どんな立場であっても、もう一度会って、ちゃんと思いを届けたい


きっと京介に届く









「今日はもう面会時間が終わったから、また明日来るといいよ
ただ…」


お兄さんはうつ向いた







「ただ?」




「明日は多分親父が駆けつけるはずだから…」








社長さんが…

すっかり忘れていた

社長さんはまだ会いに来ていないんだ






「仕事が忙しいらしくて、明日には着くって…
こんな時でも仕事が優先なんだよな、あの人は…」


寂しそうに呟いた




お兄さんも京介と同じような闇があるのだと思った