詠斗はゆっくりとまた話し始めた。

「誰だよ?こんなバカなことしたやつは。美羽のことも考えろよ!なんで…美羽が辛い思いしてんだよ?おい!誰だ!出てこい!」

詠斗は怒りを込めた声で、皆に問いかけていた。


私はそれだけで十分だった。

このままだと詠斗が一人になってしまう…。

それだけは嫌だった。

「詠斗…いいんだよ…?全部事実。もういいよ…疲れちゃった。詠斗は悪くないんだから…皆の方に行って?私を守ろうなんて考えないで…?」

そう言って、屋上へと走って行った。