真子ちゃんは幸せだな。
あんなに大切にされて。

あたしは少し羨ましかった。


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しばらくして。

菊地が
ガサガサと引き出しの中の大量の紙を引っ張りだす。ビニール袋につめて、カバンに投げる。

あたしは思わず、
『何してるの〜?
それ彼女からの手紙でしょ?(笑)』

菊地は苦笑いしながら、
『引き出しの整理だよ。やっぱ綺麗じゃないとね(笑)』

『そっか(笑)』


菊地が次に手を出したのはあの、ハートの紙。

黒マジックでぬって、ビリビリに破く。


その時の菊地の顔は、少し困ったような、悲しそうな顔だった。


あたしは、もう何も聞けなかった。


しばらくして、沙亜矢に聞いた。

真子ちゃんと菊地は別れたらしい。

真子ちゃんがふったんだって。
[風のことは好きだよ。けれど、風からの愛は真子にとってすごい重いの…
ごめんね。今までありがとう]

なんだか、菊地が可哀相だった。

けど、あたしは裏では喜んでた。
あたしって、サイテー…

でも。
そんな自分を見て見ぬふりをしていた…


アタシ、かわったな。

自分でわかるよ