席替えしてから、あたしの成績はがた落ちしたと思う。
沙亜矢と話しっぱなしだし、そして…菊地とも…

こんなに仲良くなるなんて自分にビックリした。

苦手なタイプだったから。

ある日、菊地はハート形に紙をジョキジョキきる。

そのかみに、
H・K、M・Kとおおきな相合い傘。

ピンクと水色で、綺麗に大切そうに。

それを机の端っこにノリではった。

H・Kは菊地だろうけど、

M・Kって誰だろう?

他クラスかな。


この時ちょっとズキンとしたのは気のせいではなかったんだ。


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M・Kは誰だかすぐわかった。
授業のチャイムがなってすぐに

『はやてーっ』

と呼ぶ可愛らしい声。

振り返ると、
小さくって可愛い女の子。
隣のクラスの
小林 真子 【コバヤシ マコ】だ。兄弟そろって美形だとか。


真子ちゃんなんだー。

ズキン…

時々痛む音にアタシは気付かないふりを無理にしていたんだと思う。


毎時間のようにくる真子。可愛いくてしょうがない。女子のアタシでさえわかる。