―あれから数日たった。 もうあれっきりあのチャットにはログインしていない。 一樹とも、話をしていない。 「沙奈さん、あなた最近バイオリン上手くなったんじゃないかしら」 「えっ……ありがとうございますっ」 私は、わたしで。 これが本当の自分なんだ。 だから進むしかない前に、早く。