「あ」
懐かしい風景が目の前に見えた。
「やっとついたなー！」
目の前には私が昔住んでいた
大きいけど古臭い
ボロ家。
・・父は今もここに住んでいる。
「うっわ！相変わらずだな～」
兄はそう言いながら
懐かしのドアノブのついてない
・・引き戸をそっと開けた。
「父さーん！ただいまー！」
私は兄の後ろから
ゆっくり玄関に入った。
ふわっと香る懐かしい匂い。
・・この匂い、まだ覚えてる。
「父さーーん！いるんだろー？
・・・いねーのかー？」
ドドドドドドッ
・・家の奥から
すごい足音が聞こえてきた。
「和広！奈緒！！！！！
会いたかったぞーーーーー！！！」
