いぢわる外科医



「じゃあ僕はそろそろ…」


ベッドの横のイスから立ち上がる。


「えっ、もう?・・・あっ///」


「フフッ。今日はやけに素直ですね?」


意地悪くニヤッと笑いながら私の顔を覗き込んでくる二葉先生。


恥ずかしくて、ふいに顔を逸らす。


「何目ぇ逸らしてんの?」


しかし、いくら逸らしても二葉先生の手によってそれは戻される。


あたしの顎に添えられた白い手。


再び重なった視線。


黒くて綺麗なその瞳に捕らえられたら


逃げられない。


「ね、なんで目ぇ逸らしたの?」


徐々に近づいてくる二宮先生の綺麗な顔。


さっきの子供みたいな笑顔じゃなくて


狼のような顔。


そしてその時、私の唇に触れたモノ。


それは…





二葉先生の唇。