「あ、榎本さん!」 今日は仕事が午前中だけだったみたいで、スーツの上に黒のコートだ。 榎本さんと駿くんの目が合い、お互いに会釈をする。 「彼氏?」 駿くんが榎本さんを見ながらわたしに尋ねる。 「うん」 「かっこいい人やな。倉科、好きそう。……そっかそっか、うん。……じゃあ、俺は家帰って早速これ聴くわ。これありがとうな。じゃあな」 「バイバイ」 イヤホンをつけて音楽を聴きながら歩いていや駿くんの背中を見送る。