「はあ?じゃあ余計ムカつくな。馴れ馴れしく奏君に話しかけてんじゃねーよ」
「か、かけてませんよ!」
全力で否定する私に
「はぁぁ?」
あ…、や、ばい…
多分、ギャルはキレた。
いや、さっきからキレてはいたけど
私が火に油を注いだ?
「お前がムカツクって言ってんだよ!」
ボスギャルが右拳を振り上げた。
なっなっ殴られる!!
反射的に
ギュっと目を瞑った…その時
「はい、ストーーップ」
飛んで来たのは、拳ではなく
聞き覚えのある声。
目を開けなくても分かる、この
柔らかくフワフワした声は、
きっとあいつだ
