「早くしてよ、」 「だって〜!…って、え?」 隣の梢ちゃんからではなく 頭上から聞こえたこえとともに 私の前に白く長い指が伸びてきて ――ピッ―― 「ああぁぁぁっぁ!!」 その指が押したのは 唐揚げ、でなく。 ラーメンでもなく。 うどん。 うどん… 「何すんのよっ!」 半泣きで、それでも強く その手の方に振り返った。 「だって、みんな待ってるし」 げっ