「うわっ、綺麗な雲ー」



3限目。数学。


私は屋上にいたりなんかする。

サボると言った私を、梢ちゃんは快く送り出した。いつもは一緒にサボる梢ちゃんも今回は気を遣ってくれたのだと思う。

ほんとにいい友達を持ったよ…


少しうるっとしながら再び空を見つめる。


数学は大っ嫌いだし、

屋上は普段解放禁止だから
ここだとバレる心配はないし。


それなのになぜ私が屋上に入れてるかって?それは、このドアの鍵が壊れているからで…少し強く叩けば簡単に鍵が外れるというなんとも素敵な仕組みになっているわけでして…


この仕組みに気づいているのは私と梢ちゃんくらいだと思う。



大きな空に手をかざす。



「綿菓子みたーい」



私が失恋しようが何しようが



そんなの関係なく世界は廻るわけで。
本当にちっぽけな恋だったな、なんて思ったりして。



私がここを見つけた時端っこからひこずって来た

屋上のど真ん中に一個だけあるベンチ。


ここが私のお気に入り。