「いや、気になったから」 「そっそういう秀くんこそ……いるの?」 「いるよ」 あーあ、いたんだ……。 一人で家に呼んで浮かれちゃって馬鹿みたい。 失恋って……、思ったより悲しい。 ヤバい、泣きそう……。 あたしは泣くのをこらえてゼリーを食べた。 「だ、誰なの?」 あたしは静かに聞く。 どうせ失恋してしまったのだから、最後に好きな人の好きな人ぐらい知っておきたい。 「お前だよ」 ……え? 「今、なんて?」