「言っとくけど、一緒には行けねぇよ」
「わかってるよ。むしろ行くって言われたらどうしようかと思ってた」
「てめ……ふざけんなよ」
憎まれ口を言いながらも、俺達は笑っていた。
拓人は明日いなくなる。
俺達が生きている間に、また出会えるかどうかわからない。
だけど、それでいいんだと思った。
「明日、行くんだな」
「あぁ」
「早く正体がわかるといいよな。その時は、無駄になったか?って聞いてやる」
「ぬかせ」
拓人の目が、お前もな、と言っていた。俺は頷いた。
俺達はこれからもきっと、迷い続け、そして探しつづけるんだ。

