しばらくして、涙が止まったとき。 「ほら美香、優くんの撮影終わったよ」 と、香織の声がして顔を上げた。 撮影が終わった優がこっちに歩いてきていた。 いま優としゃべったら、また涙が出てきちゃうよ。 「俺の撮影、ちゃんと見てたか?」 あたしの気持ちを知らない優は、ニコッと笑って言った。 「うん、見てたよ」 溢れそうになる涙を我慢して、あたしも優に笑顔を向ける。