あのあと、優はステージから降りてあたしの前まで来た。


「美香…」


ファンがいっぱい居るのに、優はあたしを抱き締めてキスをした。


「ずっと…こうしたかった」

優が微笑んで言うから、


「…あたしも…」


素直になってもいいよね。


完全に2人の世界にはいっていたあたし達は、キャー!というファンの悲鳴でコンサート中だということに気づく。


「やべぇ…」

そう呟いた優は、あたしの手を引っ張りステージの裏まで連れてきた。


そこには海斗くんと亮くんがいて、海斗くんは優の肩を叩く。

「ファンの子達すごいことになっちゃったじゃん。まぁ、あとは任せて」



そう言って、2人はステージに出て行った。