溢れそうになる涙を我慢して、優に電話をかける。



『もしもし…どうした?』

そんな優しい声を聞くだけで、我慢していた涙が頬を伝った。


「ちょっと…会えないかな…10分…ううん、5分でもいいから…」



そんなあたしの絞り出した声は、だんだん小さくなっていく。



『…あぁ、昼なら』


「じゃ…公園にいるね…」



『なんなら俺、美香ん家まで行くけど』


ダメ。
家だといろいろ思い出して泣いちゃうと思うから。


「大丈夫。あたし…ついでに香織の家に行くから…」

もちろん、嘘。


『…そうか。じゃあ、また後でな』


「うん」