「犯人を逃がした上、杜矢を骨折させるとは何事だ?!」 「す、すみませんッ!!!」 鬼の形相で怒鳴り付ける杉原に、結城は頭を深く下げた。 土下座をしても構わない気分だ。 結城と杜矢は任せられていた事件があった。 殺人事件とか誘拐事件などみたいに大層な事件ではなかったのだが、重度は犯罪行為の事件だった。 やっとのことで犯人を見つけ出し、あと一歩で捕まえられる手前まで行けていた。