―翌日―
「父さん、朝、寄りたいところがあります。必ず間に合うようにいきます」
「当たり前だ。遅れることは許さない。加瀬、付きあってやれ」
「かしこまりました」
親父は厳しい人だった。
なにかをする時は必ず、親父が近くにいたし、褒められたことすらない。
名前だって呼ばれた記憶はない。
「加瀬、すまない。奈美の家まで頼む」
「湊様が行くところはどこへでも行きますから」
「ありがとう」
最初、奈美と付き合うことも反対された。
でも俺は奈美のために、と思って反対を押し切っていった。
奈美はなにも知らない。
余計なことで心配させたくなかったから。
