これを、回せば新しい世界が俺を待っている。 だけど、これを回せば元いた住人の世界を壊してしまう。 でも俺は、その元いた住人と一緒に幸せになりたいから。 元いた住人を幸せにしたいから。 そのために。 「壊れてくれよ。クソ世界野郎が。」 ドアノブを回した俺に、迷いなどなかった。 ドアを開けるとすでに見慣れた世界。 右には2階へ上がるための階段。 奥にはリビングへと続くドア。