大好きな君へ

すると平助は顔をあげた


その目には色がなく、虚ろに動いていた


「ちぃには、不思議な力があるんだ」


平助は突然しゃべりだした

「力?」


すると平助は虚ろな目をこちらにむけた


「どんな病気や怪我もなおす力」



どんな病気や怪我もなおす力?


もしかして……



千奈ちゃんが僕の労咳をなおしてくれたの?


すると平助は顔を歪ませた


「でも、その力は命を削る力だったんだ……だから……」



命を、削る?


そして、平助は顔を伏せた


「俺の傷なんかなおすからっ……」



そして、悔しそうに呟いた


「全部俺のせいだっ……」


僕は平助にかける言葉がなかった


平助は自分の傷をなおしたから千奈ちゃんが消えたって思ってる


でも、千奈ちゃんは、労咳という、大きな病気もなおしてる


だから僕のせいでもある



いや、僕の方が大きいかな




だから、僕は平助になにかを言って言い訳がない


僕は、平助を話して部屋をでた